デュピクセント(アトピー性皮膚炎注射薬)/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)
2019-05-31
デュピクセントはアトピー性皮膚炎の治療薬として初めての生物学的製剤(抗体医薬)です。
治療の対象となる方
1.アトピー性皮膚炎の症状が中等度から重症の方(適応の規定に合致する患者様)
2.強い炎症のある皮疹が広範囲に認められる場合
3.通常の外用薬治療を6カ月以上行っても効果が不十分な成人アトピー性皮膚炎患者様
4.本剤投与時にアトピー性皮膚炎の病変部の状態に応じた抗炎症外用剤や保湿外用剤を継続使用することが原則となります。
注意事項
アトピー症状の軽度の方、注射だけをご希望される患者様には適応がありません。初診により、先ずはアトピー症状のご状態の確認や治療歴の有無、生活指導、標準治療などを行うため即日注射は不可となります。
デュピクセント治療の作用
デュピクセント®は、「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン※)の働きを直接抑えることで、皮膚の2型炎症反応(Th2細胞による炎症)を抑制する新しいタイプのお薬です。
アトピー性皮膚炎の皮膚の内部に起きている炎症反応を抑えることによって、かゆみなどの症状や、皮疹などの皮膚症状を改善します。
デュピクセント治療のメリット
1.外用薬を塗る量や手間を少なくすることが出来る
2.ステロイド外用剤の強さ(ランク)を下げることが出来る
3.外用薬物療法単独で行うより、皮膚症状がより改善させることが出来る
デュピクセントの投与方法
投与方法は、通常、成人(現在は15歳以上)は初回に600mg、2回目以降は300mgを2週に1回皮下注射を行います。
注射部位は上腕部(二の腕)の外側、へそ周りを除いた腹部、太腿に行います。
デュピクセントの副作用
アトピー性皮膚炎患者を対象とした国際共同試験3試験で本剤300mgを2週に1回投与された403例(日本人62例を含む)において、副作用は123例(30. 5%)に発現し、主な副作用は、注射部位反応29例(7. 2%)、頭痛12例(3. 0%)、アレルギー性結膜炎7例(1. 7%)となっています(承認時)。
デュピクセントの薬剤費の目安
デュピクセント®の薬剤費 | 初回(2本) | 2回目以降(1本) | |
自己負担額 (窓口で支払う金額) |
3割 | 39,814円 | 19,907円 |
2割 | 26,542円 | 13,271円 | |
1割 | 13,271円 | 6,636円 |