脂肪注入による豊胸後に乳房のしこり/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)
2015-03-12
脂肪注入豊胸でしこりができた原因と治療について
脂肪注入豊胸後に乳房にできるしこりの主な原因は注入した脂肪細胞の中心壊死です。
太い吸引管による脂肪採取は、短い時間でたくさんの脂肪がとれます。しかし、たくさんの脂肪を注入することや採取した粒の大きな脂肪の塊は、中心部まで十分 な酸素や栄養が行きわたらず壊死に陥ります。このような中心部が壊死に陥った脂肪の塊は、慢性的な炎症反応が長期になるためしこりのできる確立が高くなり ます。
しこりの大きさは大小様々ですが、多数あることがあり体表面から触れると気になると言われます。
脂肪注入豊胸でしこりの精査について
脂肪注入豊胸によるしこりが、脂肪細胞の中心壊死によるものか、あるいは乳腺腫瘤によって生じたものかの鑑別を行う必要があります。そのほかに考えられる原因としては、乳腺線維腺腫、乳腺症、乳腺のう胞などが考えられますが、いずれも良性のしこりです。
検査については、CT画像診断などを用いて精査を行います。
脂肪注入豊胸と乳がんの発症リスクに相関関係はないと報告はされていますが、乳房のしこりに気がついた時にはお早めに相談をされたほうが良いでしょう。
脂肪注入豊胸でしこりの除去手術について
脂肪注入豊胸でのしこりの対処方法としては、局所麻酔による除去手術を行います。
しこりのできている部位にもよりますが、当クリニックでは最も目立ちにくい乳輪に沿った切開で摘出を行っています。
脂肪注入豊胸でしこりの手術費用について
健康保険による局所麻酔による除去手術を行います。
脂肪注入豊胸でしこりの手術除去実症例について
15年ぐらい前に、脂肪注入で豊胸術を受けました。その後、乳房にしこりが出てきてインターネットで調べると、脂肪注入でしこりができることがあると書いてありました。
胸にしこりを見つけたとき、すぐに乳がんかもと考えてしまいがちですが、脂肪注入によるしこりの多くは良性と考えてよいでしょう。まずは、診断をしなければならないため、触診、CT検査などを行って、しこりの状態を正確に把握します。
画像診断を確認したら、摘出手術に取りかかります。手術は、なるべく乳房自体にキズアトを残さないように配慮し、皮膚を切る部分を決定します。
このように、乳輪の部分で切開を行えばキズアトはほとんど目立たずに済むでしょう。予定通り、乳房にキズアトを残さずに長径3cmのしこりを取り除くことができました。
取り除いたしこりは病理検査に提出し、約1~2週間で良悪の判断と取り切れているかの結果が来ます。今回は、脂肪注入が原因によるしこりと判明しました。
ただし、乳輪から離れた部位にしこりがある場合には、その症例に応じた切開線を考えることになります。