顔の黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術について/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)
黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術について
黒色色素性母斑(黒あざ)とは
皮膚にある黒い色をしたあざは、正式には、母斑細胞性母斑(ぼはんさいぼうせいぼはん)と呼ばれます。小型のものは黒子(ホクロ)、大きいものは 黒アザと も言われます。頭の先から足の先まで、全身どこにでもできる可能性があります。
形や大きさは、皮膚の表面と同じに平らなものから隆起したもの、その上に毛 が密集したものなど様々です。こうした黒アザの中には希に悪性のものもありますから、一度お早めに診察を受けておくとよいでしょう。
小さなほくろは、レーザー治療で治すことができますが、ある程度の大きさになると手術で取り除いた方が良いでしょう。また、手術で取り除いた組織は、全症例 において病理検査によって詳しく調べます。
黒色色素性母斑(黒あざ)摘出手術の詳細について
単純縫縮術:(SIMPLE EXCISION)
できものや母斑を1回の手術で取り除く方法のことを言います。大きさが小さい、幅が広くない、皮膚に余裕があるなど状態によって行います。また、縫合時の創部への緊張や皮膚の余裕などの計算を緻密に行いながら、母斑を取り除いていき、状態によってはZ形成術なども考えていきます。
特に顔に黒い母斑があると、人の目は黒いものに反応する性質からずっとその部分を見られている感じを受けます。出来ている部分や大きさなどを考慮して手術で切除する方法や小さいものであれば炭酸ガスレーザーで治療をしたり最善の方法を考慮します。
〇母斑は眉毛より下の部分にあり、皮膚に余裕があるため1回で取り切れると判断しました。切除デザインは、母斑の辺縁から約1mm離して眉毛の下縁に沿った形で行いました。
〇局所麻酔で黒色母斑を切除して、眉毛の下縁でなるべくキズアトが目立たないように皮下と皮膚の2層縫合を行いました。創部皮下に血液が貯まらないようにシリコンドレーンを留置しています。
〇皮膚の縫合糸は5日目で抜糸し、アフターフォロアップとしてテーピングとキズアトを綺麗にする飲み薬を半年間行った結果、キズアトは殆どわからなくなりました。
病理検査(びょうりけんさ、pathological examination)
手術で切除した腫瘍は、ほぼ全例に病理医に依頼して病理検査と呼ばれる顕微鏡等を用いた詳しい細胞の診断をしてもらいます。病理検査では、腫瘍細胞の性状や良性悪性の有無、浸潤している深さ、取り切れているかどうかなどの判断を行ってもらいます。術後10日前後で、病理検査の結果をお話できると思います。
黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術のダウンタイムやリスクなどについて
【施術時間】40分ほどで終了します。
【麻酔】局所麻酔で行います。
【腫れ・傷跡】個人差はありますが、数日間程度は腫れが出ます。切開した傷跡は、手術後6ヶ月程で腫れも治まり目立たなくなります。個人差により肥厚性瘢痕やケロイドが起ることもあります。
【通院】翌日にドレーン抜去や5日目に抜糸があります。
【お薬】内服薬や外用薬を処方します。
【メイク】翌日より可能。
【洗顔・シャワー・入浴】創部を濡らさないようにシャワーは当日より可能。
【運動】抜糸が終了するまでお控えください。
黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術の料金について
皮膚・皮下良性腫瘍摘出手術では、腫瘍の大きさと部位によって以下の診療報酬点数が定められています(平成28年度診療報酬点数)