腕の黒色色素性母斑Lazy S (レイジーエス)手術の詳細について/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)
黒色色素性母斑(黒あざ)Lazy S (レイジーエス)手術の詳細について
単純縫縮術:(SIMPLE EXCISION)
できものや母斑を1回の手術で取り除く方法のことを言います。大きさが小さい、幅が広くない、皮膚に余裕があるなど状態によって行います。また、縫合時の創部への緊張や皮膚の余裕などの計算を緻密に行いながら、母斑を取り除いていき、状態によってはZ(ゼット)形成術や Lazy S (レイジーエス)切開なども考えていきます。
〇母斑は上腕にあり、長軸方向は斜め45度にあります。このような場合には、RSTL(relaxed skin tension line) つまり、皮膚を緩めたときによる皮膚の細かいしわの方向に合わせる必要があります。
〇この母斑のRSTL(relaxed skin tension line)を十分に考えると、 lazy S (レイジーエス)と呼ばれるS字型に曲線を描くようなデザインが最適と考えました。利点として、S状切開は母斑の長軸45度の方向を変換することと、直線よりも緊張を分散するので、創が目立たなくなるためです。
〇局所麻酔で黒色母斑をデザイン通リに切除して、皮下剥離を行って皮下を吸収糸と皮膚の2層縫合を行いました。皮膚の縫合糸は5日目で抜糸し、アフターフォロアップとしてテーピングとキズアトを綺麗にする飲み薬を半年間治療を行います。
病理検査(びょうりけんさ、pathological examination)
手術で切除した腫瘍は、ほぼ全例に病理医に依頼して病理検査と呼ばれる顕微鏡等を用いた詳しい細胞の診断をしてもらいます。病理検査では、腫瘍細胞の性状や良性悪性の有無、浸潤している深さ、取り切れているかどうかなどの判断を行ってもらいます。術後10日前後で、病理検査の結果をお話できると思います。
黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術のダウンタイムやリスクなどについて
【施術時間】20分ほどで終了します。
【麻酔】局所麻酔で行います。
【腫れ・傷跡】個人差はありますが、数日間程度は腫れが出ます。切開した傷跡は、手術後6ヶ月程で腫れも治まり目立たなくなります。個人差により肥厚性瘢痕やケロイドが起ることもあります。
【通院】翌日にドレーン抜去や5日目に抜糸があります。
【お薬】内服薬や外用薬を処方します。
【メイク】翌日より可能。
【洗顔・シャワー・入浴】創部を濡らさないようにシャワーは当日より可能。
【運動】抜糸が終了するまでお控えください。
黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術の料金について
皮膚・皮下良性腫瘍摘出手術では、腫瘍の大きさと部位によって以下の診療報酬点数が定められています